【東方SS】八雲のおねえさんが禿げました

2009/3/2に東方創想話に投稿したSSです。
 


『八雲のおねえさんが禿げました』



「待てっ、この馬鹿妖精! その羽根引きちぎってやる!」
「なにさ、橙には何もやってないじゃん! なんでそんなに怒ってんの!?」

 藍が結界の見回りを終えて帰ってきたとき、橙とチルノは八雲邸の庭で取っ組み合いの喧嘩を始めていた。
 普段は友人同士で、割と仲の良い二人である。子供のことだから些細な理由で喧嘩もしようが、藍は少々驚いた。

(止めなければ……いやしかし、事情を知らずに割って入るのもな)

 どうしたものかと考えあぐねていて、ふと気がついた。
 縁側に主である八雲紫が座って、二人の喧嘩を眺めている。
 藍は主の隣に歩いて行って、尋ねかけた。

「あの紫様。二人は何故喧嘩を……?」
「んー、ちょっとね」

 楽しくてたまらないという感じの、いやらしさの滲んだ声だった。見ると、案の定、主の横顔にはにやけた笑みが浮かんでいる。

「……なにかなさったんですね」
「まあひどいわ、そんな断定口調で。傷つくわあ」

 よよよ、とわざとらしく目元を隠す主に、藍はため息を一つ。

「紫様がそういったお戯れを好まれることはよく存じておりますが、面白半分に喧嘩を煽るなんて、二人が可哀想ですよ。これでこじれて心に傷が残ったらどうするんですか」
「藍はいちいち大袈裟ねえ。まあその真面目さが可愛いところでもあるんだけれど」
「誤魔化さないでください。それで、いったい何を」

 紫は、んー、と人差し指を顎に当てて首を傾げた。

「でも、よくよく考えてみると私が原因とは言い難いかもしれないわねえ」
「と、仰いますと?」

 紫が説明するところによると、そもそもの始まりはチルノが「最近おまじないに凝ってる」と言い出したことだったらしい。

「おまじない、ですか」
「そう。まあ妖精のすることだから、明日には飽きてるかもしれないけど」
「それで、そのおまじないというのは?」
「泥を顔に塗ったり、服に意味不明な文様を描いたりとか、そういう感じのものね。もちろん効果はなし」

 言われてよく見てみると、主の服にはチルノが描いたと思しき落書きのようなものがあり、顔も少々汚れているようであった。

「これは、申し訳ありません。気がつきませんでした。二人の喧嘩にばかり気を取られて」
「いいわよ。私自身、チルノが私に『おまじない』をかけるのを止めなかったしね」
「ああ、そういうことですか」

 藍はようやく事情を理解した。
 要するに、橙は主の主たる紫にそんな馬鹿げたことをするなど以ての外、と考えたのだろうが、当の本人が拒否しなかったので止めるに止められなかったのだろう。
 それで紫が文字通り顔に泥を塗られたり服に落書きされたりするのを間近で見ているしかなく、とうとう終いには堪忍袋の尾が切れてしまったわけだ。

(可哀想に……常日頃から式としての何たるかをしっかり教育しておいたのが裏目に出てしまったか)

 それだけ橙が紫を尊敬していることの証明でもあるが、事情が事情だけに素直に喜べない藍である。
 しかし紫は大層満足げに笑っている。

「いい子ねえ、橙は。式の教育はなかなか行き届いていると褒めてあげるわ、藍」
「はあ。ありがとうございます。ですが、紫様」
「怒らない怒らない。まあ、段々赤さを増していく橙の顔を楽しんで見ていたのは事実だけど」
「相変わらずいいご趣味ですね」
「あらあら、あなたも皮肉を言うようになったのねえ」

 ため息を吐く藍に、おかしそうに笑う紫。
 二人の目と鼻の先、八雲邸の庭の真ん中では、橙とチルノの喧嘩がいよいよ激しさを増してきていた。二人とも殴ったり避けたり、時には弾幕を展開しつつ、何やら怒鳴り合っている。

「返せ! 紫様の髪、返せ!」
「やだよ! 紫はいいって言ったもん!」

 二人とも実に真剣である。藍は首を傾げた。

「あの、紫様。紫様の髪返せ、とはなんのことですか?」
「ああ。これよ、これ」

 そう言いつつ、紫が後頭部の金髪の一部を、手で掻き分けて見せる。その向こうから現れたものを見て、藍はぎょっと目を剥いた。

「は、はげてるじゃないですか!」
「その表現はちょっと直接的すぎるのではないかしら」
「いや、だって……! これじゃほとんど円形脱毛症ですよ!」

 黄金の川の中州の如く、紫の金髪の真ん中で円形に地肌が露出しているのである。
 はた目から見るとなんとも無残な有様なのだが、しかし紫は大して気にした様子も見せない。

「これもチルノの『おまじない』なんですって。髪を円形に引き抜くと幸運が訪れるとかなんとか」
「どういう経緯で思いついたんですかそれは」
「さあ。妖精の考えることはたまに私の想像すら凌駕することがあるから」
「せめて一房切るだけでいいでしょうに」
「毛根からブチブチ抜かないと効果がないって言ってたわねえ」
「何の根拠があるんだか」
「子供って自分が思いついたことを頑固に信じ込むところがあるじゃない。ほら、藍だって夜中私の部屋に来て枕元に立っては『天井の染みがお化けに見えて怖くて眠れません』って涙目で」
「な、何百年前の話をなさるんですか!」
「わたしには昨日のことのように思い出せるわ。他にもほら、ピーマンのこととか」
「そ、それはそうと、髪を抜かれるとき、痛くなかったんですか?」
「大丈夫よ。抜けやすいように、チルノが引っ張るとき毛根と肌の境界をちょっと弄ってあげたから」
「なんですかその優しさ」

 主の金髪がずるっと抜けるなど、想像しただけでもげんなりしてくる光景である。間近で見た橙がついに怒りを抑えられなくなってしまったのも頷ける。

(『紫様の髪ってとってもきれいですよね……あ、藍様のももちろんきれいですけど!』なんて言ってたものなあ、前に。そりゃ、怒ってもしょうがないか)

 大きくため息をつく藍の前で、チルノと橙は激しく罵り合いながら、塀を越えて屋敷の外へ飛び出していった。上空で飛び交う弾幕の嵐を見る限り、喧嘩はまだまだ続くようである。

「あとでフォローしてあげないと」
「あら、子供の喧嘩に親が出てはいけないわ」
「煽ったご本人が何を仰るんですか」
「だって、ねえ」

 紫が口元に手を添えて嬉しそうに微笑む。

「あんな無邪気な顔で、『紫の髪ってきれいだから、あたいの宝物にするね!』なんて言われてはね。わたしに『髪抜かせて!』なんて言ったの、あの子が初めてよ。本当に面白いわねえ、チルノは」
「それは、確かにそうかもしれませんが」

 少々呆れつつも、泥で薄汚れた紫の幸せそうな横顔を見ていると、ついつい苦笑してしまう藍である。

「……童心に帰った、というところですか?」
「そうねえ。それに近い心境ではあるかもしれないけど」

 上空で展開される二人の喧嘩を眺めつつ、紫は遠くを見るように目を細めた。

「でも、正確ではないわね」
「と、仰いますと」
「童心に帰るって、要は子供のころを思い出して遊ぶ、みたいな意味でしょう?」
「ええ、まあ」
「子供のころってなかったから、私」

 さらりと、なんでもないことのように紫は言う。
 しかし、藍はしばらくの間何も言えずに立ち尽くしてしまった。

「どうしたの、藍?」
「あ、いえ」

 何を言うべきか酷く迷い、藍は躊躇いながら問いかけた。

「子供のころがなかった、というと」
「言葉通りの意味よ」

 どこか遠い声で、紫は説明し始める。

「この世に生じたのがいつだったか、もうよく覚えていないけれどね。気がついた時には、私はもう既に私だったのよ。自分が他者にとってどういう存在なのか理解するよりも早く、隙間の向こうに潜んで境界の操り方を覚えていた。それであるとき、襲ってきた妖怪を撃退するためにその力を使って、危険性を知られて……後はまあ、分かるでしょう?」

 藍は小さく頷き、束の間目を閉じて、遥か昔の紫を思った。
 おそらく、近くにいてくれる者もなく、信頼できる者もなく、信頼してくれる者もおらず。
 そんな長い長い時を、一人きりで歩んできたのだろう。

「……そんな風に、孤独に慣れ過ぎていたせいかしらね。自分がひどく寂しい存在なんだってことに気付くまでにも、ずいぶん時間がかかったわ。ねえ、藍」
「はい」
「あなたを拾ってここまで育てた理由、話したことあったかしら」

 首を横に振ると、紫は目を細めて愛おしそうに藍の顔を見つめながら言った。

「一人ぼっちのあなたを見ていたら、自分と重なっちゃってね。ひょっとしたら、過去の自分を育て直している気分だったのかもしれないわ。あなたに寂しい思いをさせないことで、過去の自分を慰めてやりたかったのかもしれないって。最近、そう思うの」

 少し沈んでいるようにも思える紫の声を聞きながら、藍はこれまで生きてきた記憶を辿った。
 生まれた頃のことはもうよく覚えていない。気がついた時にはもう紫がそばにいて、自分にたくさんのことを教え、守り育ててくれた。
 修業は厳しかったし、辛くて泣きたくなることもたくさんあった。今だって、休む間もないほど働き通しである。
 でも、寂しいと感じたことはほとんどない。多分、この先もないだろう。

「紫様」
「なにかしら」
「どうして今、私にそのことを教えて下さったのですか」

 そう言うと、紫はちょっと眉根を寄せて悩んだあと、苦笑混じりに首を振った。

「分からないわ。なんとなく、話したくなったの。さっき、ちょっとだけ思い出話なんかしたせいかしら。あの小さかった藍も、こんなに大きくなったんだなあって思ったら、急にね」

 ほんの少し、探るような目で藍を見て、

「まあ、そういうわけで、私があなたを拾ったのはそういう割と自己満足的な理由だったわけだけど」

 怒った? とでも言うように、ちょっと首を傾げる。藍は首を横に振った。

「まさか。これで怒ったりしたら私はどれだけ恩知らずですか。むしろ」

 藍はそっと胸に手を添えて、笑った。

「私は今、とても誇らしい気持ちです。そういったお話をしてくださるということ自体、私も少しは大人になれたということでしょうから」
「あなたはよくやってくれているわよ」
「本当ですか」
「ええ。まあ、ちょっと真面目すぎて融通が利かなくて、ついでに過信したり油断したりするところはあるけれど」
「……相変わらず手厳しいことで」
「当然。躾には手を抜かない主義……ああそうそう、あとあなたの欠点、ちょっと橙に甘すぎ」
「いやまあ、その」
「誤魔化さないの。本当にもう、誰に似たんだか」
「紫様しかいないじゃないですか」
「いやまあ、その」
「誤魔化さないでくださいよ」

 顔を見合せて、二人同時にプッと吹き出す。
 紫はまた上空を見上げ、チルノと橙の弾幕ごっこを見つめながら、ぶらぶらと足を揺らし始めた。

「でも、あなたがよくやってくれてるっていうのは本心よ。だからこそ、私もこうやってのん気に子供たちと遊んでいられるわけだし」
「楽しそうですね」
「ええ。子供ってきっとこんな感じなのね。些細なことで喜んだり、ドキドキしたり。今になって知るとは思わなかったけれど」
「チルノに教えられましたか」
「そうね。あの子って本当に遠慮がないわ。あんな風に無警戒で近寄ってこられるのって初めてだから、とても新鮮だわ。ねえ、藍」

 肩越しに振り返って、紫が悪戯っぽく微笑んだ。

「ありがとうね。私に子供を返してくれて」

 藍は微笑み、静かに首を振る。

「いえ。あなたは私に子供を下さいましたから。当然のことです」

 それきり、二人は黙って空を見上げた。チルノと橙の弾幕勝負はようやく一区切りついたようで、今度は単なる追いかけっこに移行した様子だった。

「でも藍」

 ふと、紫が少し心配そうに言った。

「張り切ってくれるのは嬉しいけど、大丈夫かしら?」
「と、仰いますと」
「ほら、最近異変とか小さな小競り合いとかがたくさんあって、あなた今まで以上に休む間もなく働いているじゃないの。まあこき使ってるのは私なんだけど」

 そう言って、じぃっと藍の顔を見つめる。

「無理してない? 急に倒れられたりしたら、困るわよ?」
「そんなまさか、滅相もない。私だって、自分の体調ぐらいはしっかり把握しているつもりですよ」

 ただちょっと、紫の心を煩わせないよう、報告せずにこっそり結界の修復を行うことがある、程度だ。
 他にも、妖怪の賢者の式であるという立場上、悪戯に騒ぎを起こせない立ち場であるのをいいことに、柄の悪い花の妖怪とかに因縁つけられて延々と嫌味を聞かせられたりもするが、ただひたすら耐えているという程度。あのフラワーマスターと来たら聞いているだけで胃が痛くなってくるような芸術的な嫌味を耳元で垂れ流してくれるのだが、耐えるのも式の仕事であると藍は自覚している。
 もちろん、そんなことは紫には言わない。主には何の心配もせずにのんびりしていてほしい藍なのである。

「大丈夫です。何も問題は起きておりません、全てこの藍にお任せ下さい!」
「うーん、本当かしら」

 紫は頬に手を添えて、悩ましげに息をつく。

「あなたって努力家で頑張り屋さんだけど、妙に意地張ったりするから……ほら覚えてる? なんかの本に影響を受けて『滝行する』って言って妖怪の山の滝に打たれに行った挙句、式が剥がれて迷子になって大騒ぎに」
「だ、だから何百年目の話をなさるんですか!?」
「あのときは大変だったわねえ。報せを受けた私が迎えに行くまでの間、あなた天ちゃんに預かってもらってたけど、天ちゃんの顔が怖いからってぴーぴー泣き出しちゃって。天ちゃんちょっとロリコン入ってるから相当ショック受けてたわよ」

 ちなみに天ちゃんというのは天狗の頭領たる天魔のことで、裏では妖怪の賢者の一人として幻想郷の平和を維持する活動を行っている。故に、紫とは旧知の仲である。
 まあ、そんなことは今の藍にとってはどうでもよく。

「さ、さっき『藍も大人になったなあ』とか仰ってたのに、どうしてそう子供の頃の話ばっかり持ち出すんですか!?」
「いや、でもほら、やっぱりまだまだ未熟なところもあるし、心配なのよ。何度も言うようだけど、あなたって意地張って私に隠れて無茶することよくあるし。ちょっと前もそれで霊夢にコテンパンにされてたじゃないの。ああそうそう、永夜異変のときも張り切って回転しすぎて竹に思い切り頭をぶつけて」
「と、ともかく!」

 これ以上恥ずかしい過去を掘り返されてはたまらない。藍は大声で叫びつつ、頬の熱さを自覚しながら胸を張った。

「私は大丈夫です。無理などしていませんし、心健やかに働かせていただいておりますとも!」
「本当?」
「本当です。ですから紫様は何の心配もせずに子供たちと遊んで」
「紫様ぁーっ!」

 藍が必死に捲し立てている途中で、橙が帰ってきた。空から飛び降りてきたかと思うと、泣きじゃくりながら駆け寄ってくる。

「紫様っ……あ、藍様、お帰りなさい」
「ああ、ただいま。でも私よりも、紫様にご報告することがあるんだろう?」

 藍がそう言ってやると、橙は紫の前に歩み出て、ぼろぼろと涙を零しながら頭を下げた。

「ごめんなさい紫様、紫様の髪取り返せませんでした」
「いや、取り返されても正直困るんだけど」

 苦笑しながら、紫が橙の頭を撫でる。

「いいのよ、橙。あなたが私のために怒ってくれた、その気持ちは嬉しいけれどね。チルノに髪をあげたのは私の意思なんだし。その怒りは、真の意味で私たちの誇りを汚す相手に対してのみ、使うべきものよ」
「でも、そのせいで紫様の頭が……」
「いいの。次に神社に行ったとき『私も禿げるぐらい思い悩んでいるのよ』って言って霊夢の同情を誘う予定だから」

 そういう狙いもあったのか、と藍は少々呆れた。

「いや紫様、それむしろ思いっきり笑われると思いますよ」
「あら、やっぱりそうかしら」

 笑い合う主とそのまた主を見て、橙もようやく少しは安心したようだった。
 ごしごしと涙を拭い、それから少し怒ったように唇を尖らせる。

「でも本当にふざけてますよね、チルノの奴。何がおまじないよ。なんで髪を抜くのがおまじないなのよ」
「まあ、髪を使う呪術というのもないわけではないが」
「えっ、じゃああいつ、それが目的で!?」
「いや、そういうわけではないだろうが」

 ちょっと心配になって、藍は紫を見る。確かに、紫ほどの大妖怪の髪となると、それだけで呪術などの材料として使えそうである。
 紫は藍の心配を察したらしく、安心させるように微笑み返してきた。

「大丈夫よ。その辺りはちゃんと処理してあるから。あれはもうただの物質に過ぎないわ」
「さすが紫様、完璧なご配慮です。というわけだから、橙」

 橙の小さな体を抱きあげながら、藍はゆっくりと言い聞かせた。

「お前は何の心配もしなくていいんだよ。むしろどうやってチルノと仲直りするかを考えなさい」
「だけど」
「いいから。紫様も仰っていただろう。今回のことは、怒るようなことではないんだよ。もちろん、主の主のために怒りを抱いた、お前のその気持ちはとても立派なものだけれどね。そのために仲のいい友人を失ってしまったら、その方が私たちにとっては悲しいんだから」

 橙はそう言われてもまだ納得できない様子だったが、やがて唇を尖らせたまま呟いた。

「仲直りする必要なんてないですよ。どうせあいつ、今日のことなんて明日になったら忘れてるに決まってるんだから」
「そうか。それは良かった」
「良くないですよ。だからこそ今日中に謝らせるつもりだったのに、もう」

 橙が藍の腕の中で頬を膨らませる。藍は紫と顔を見合せて、ちょっと笑った。
 そしてふと、腕の中にある橙の体が、昔よりも収まり悪くなっていることに気がつく。彼女もどことなく窮屈で、居心地が悪そうだ。

(橙も成長している、ということか)

 自分と同じに。そう思うと、喜ばしくもあり、ほんのちょっとだけ寂しくもある。
 だがまあ、橙が本格的に独り立ちをするのはまだまだ先の話だろう。それに、紫には今後もあまり心煩わせることなくのんびり暮らしてほしい、とも思う。
 そのためにはもっともっと私が頑張らなければ、と決意を新たにしたところで。

「あーっ!」

 と、橙が素っ頓狂な叫び声を上げて、顔を真っ赤にして獣じみた唸り声を上げ始めた。

「畜生、チルノの奴、今度という今度は絶対に許さない! 明日あったら問答無用でズタズタにしてやるんだから!」

 橙が急にそんな物騒なことを叫び始めたので、藍のみならず紫もぎょっと目を剥いた。

「ちぇ、橙? どうした、何をそんなに怒っているんだ?」
「当たり前じゃないですか! チルノの奴、紫様だけじゃなくて」

 言いつつ、腕を伸ばして藍の髪を掻き分け、

「藍様にまで『おまじない』をかけるなんて! 絶対に許せない!」

 ――その後一か月ほど、藍は強制的に休暇を取らされたそうな。

 <了>
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