【ゼロ魔SS】犬竜騒動(2)―花の冠―

昔某所に投稿したゼロの使い魔SSです。
原作1桁巻ぐらいの頃に書いたSSなので設定が古いです。
 


『犬竜騒動(2)―花の冠―』



 ちょうど一冊本を読み終えたとき、窓の方から何か音がした。見ると、夕暮れの光に染まった空を背景に、巨大な竜が鼻先で部屋の窓をコツコツと叩いていた。何やらいつも以上に楽しげな様子の使い魔を見ながらタバサは無言で窓を開ける。途端に、シルフィードが部屋の中に首を突っ込んできて、タバサの耳元で大きな顎を開いた。何か喋り出す兆候だと判断し、タバサは素早く周辺に「サイレント」の魔法を張り巡らす。同時にシルフィードが捲くし立て始めた。

「おねーさまおねーさま、やっぱりサイトが恋人候補No1よ!」
「何の話」
「おねーさまの恋人の話なのね。明るいし気さくだし優しいし、この辺だとサイト以上の相手はいないのよ」

 シルフィードは唾を飛ばして力説する。それを器用に避けつつ、タバサは一言答えた。

「興味ない」
「そんなんじゃダメです!」

 シルフィードが物凄い声で吠えたので、本棚が震えて本が何冊も床に落下した。

「とにかく、おねーさまもサイトとたくさんお話するといいのね。きっと楽しくなって、明るくなって、もっと素敵な女の子になれるわ」
「必要ない」
「よーっし、そうと決まったら、シルフィ張り切っちゃうのね! 早速二人にお似合いのデートスポットを探してきまーす!」

 一方的に喋りまくって、シルフィードは夕暮れの空の彼方へすっ飛んでいく。その影は見る間に小さくなり、やがて消えてしまう。タバサは騒々しい使い魔を黙って見送ってから、風魔法を使って床に散乱した本を片付け始めた。



 夜通しハルケギニアの空を飛び回って各地のデートスポットを探索したシルフィードは、翌日の昼頃になってようやくトリステイン魔法学院に帰還した。睡眠を取らずに、夜の空を全速力で飛びまわったあとである。古の風韻竜であるシルフィードであっても、なかなかの重労働だ。それでも今は「早く二人をデートスポットに放り込まなくちゃ」と心が浮き立っていたので、ほとんど疲労を感じていない。
 シルフィードは魔法学院の上空から目を凝らし、才人の姿を探した。タバサを連れ出すのは難しいだろうから、とりあえず才人だけでもデートスポットに連れて行って「ああ、ここはいいとこだなあ。また来たいなあ」と思ってもらうのが目的である。
 主人であるルイズにくっついて教室に入っているとしたら見つけられなかっただろうが、幸い、才人は外にいた。広場の隅で、何やら水を張ったたらいを前にして地面に座り込んでいる。
 その真ん前ではなく、近くの建物の陰に、シルフィードは静かに降り立った。

(あれ、どうしてわたしこんな風に隠れてるのかしら)

 建物の陰で、シルフィードは首を傾げる。何故だかよく分からないが、いきなり才人の眼前に降り立ってぎょっとした顔をされたら、と想像すると、あまりいい感じがしなかったのだ。

(何でかしら何でかしら、きゅいきゅい)

 初めての感覚に戸惑い、シルフィードは頭の中できゅいきゅい鳴きながら理由を考える。が、結論は出なかったので、あっさりと考えるのを止めた。

(そんなことより、今はサイトなのね)

 建物の角の向こうに首を伸ばして、その向こうにいる才人を観察しようとする。だが、首を突き出した瞬間、相手もちょうどよく顔を上げたので、すぐに気付かれてしまった。
 一瞬、先程のぎょっとした才人の想像が頭を過ぎった。シルフィードは慌てて首を引っ込めかけたが、想像とは違い、才人は嬉しそうに笑って手を振ってくれた。

「ようシルフィード、傷は痛まないか」

 昨日と同じく、こちらを警戒するような雰囲気は全くない。それどころか、昨日以上に親しげな様子である。

(うん、ちっとも痛くないわ)

 一気に軽くなった心の命ずるままに、シルフィードは建物の影から飛び出して、ドタドタと才人の下に走り寄る。普通、巨大な竜がそんな風に走ってきたら驚いて身を引くところだが、才人はそんな様子は全く見せずに、のんびりした様子でこちらが近づいてくるのを待っていた。いよいよ、シルフィードの心が軽やかに躍りだした。

(ねーね、何してるの、何してるの)

 はしゃぐように翼をばたつかせながら、シルフィードは才人に向かって首を傾げる。

「洗濯しろって言われたんだよ」

 才人が苦笑混じりに、水を張ったたらいと、その横にある洗濯籠を指差してみせる。籠の中には、女物と思しき服が大量に詰め込まれていた。

(洗濯)

 シルフィードとて、それが何かは知っている。タバサは自分の分は自分で洗濯するし、シルフィードはそもそも服を必要としないので、実際にやったことは一度もなかったが。

(なんでサイトがそんなことしてるの。なんでなんで)

 またも首を傾げるシルフィードに、才人がため息を吐く。

「ちょっと溜めててよ。いくらか一気にやった方が、使う水も石鹸も少なくていいから、効率的だろ。それをあの女、『サボッてないで毎日マメにやりなさいよ』とか言いやがってよ。その上、『罰として、今日まで溜めてた分は全部今日で洗っちゃいなさい』だと」

 才人は傍らの洗濯籠を叩き、肩を落とした。

「見ろ、籠一杯だぜ。どのぐれーかかるか分かりゃしねーよ。破いたりしないように気をつけて洗わなくちゃならないし、その後干さなくちゃならねーし」

(大変なのね)

 シルフィードの記憶するところでは、才人は魔法を使えないはずである。風の魔法を応用すれば、洗濯も乾燥も大して時間はかからないが、それが出来ないとなると。

(そんなことになったら、デートスポット見に行けなくなっちゃう。シルフィも手伝ってあげるわ)

 きゅいきゅい鳴き声を上げながら、シルフィードは前脚を洗濯籠に伸ばす。才人が慌ててそれを止めた。

「待て待て。お前の爪で摘まんだら、服が破けちまうよ」
(あ、そっか)

 シルフィードは慌てて前脚を引っ込め、うな垂れた。この姿では、洗濯を手伝うことはできないらしい。

「手伝ってくれるつもりだったのか、お前」
(うん)

 シルフィードが頷くと、才人は笑って彼女の頭を撫でた。

「ありがとな。やっぱいい奴だなー、お前」
(でも役に立たないのよ)

 その意を表すように悲しげに鳴くと、才人は相手を安心させるような、暖かみのある笑みを浮かべた。

「大丈夫だって、俺一人でもやれるさ。ホント、ありがとうな」

 労りと感謝の念が感じられる口調である。シルフィードの沈んだ気分が、また少し浮き上がる。

「あー、でも、これやんなくちゃいけないから、今日は相手してやれそうにねーんだ。ごめんな」

 と思ったら、すぐにまた落ち込んでしまった。

(それじゃ、今日お出かけできないのね)

 シルフィードもそうだが、才人だって長い間主人のそばから離れている訳にはいかないだろう。気性の荒いルイズのことだ、才人が夜中勝手にどこかを遊び歩いているとなったら、どんなお仕置きをするか知れたものではない。

(だから、昼間に出かけなくちゃならないのに)

 シルフィードはもどかしさを感じた。自分の魔法を使えば、洗濯などすぐに終わらせられる。だが、いかに才人相手と言えども、「正体を悟られるな」というタバサの命令に背くことは出来ない。

(どうしたらいいのかしら。きゅいきゅい)

 シルフィードが困り果ててしまったそのとき、ふと才人が慌てたように周囲を見回し、呆れたように自分の額を軽く叩いた。

「バカだな俺、石鹸忘れちまったよ。これじゃ洗濯できねーじゃん。取ってこなくちゃなあ」

 呟いたあと、シルフィードの頬をそっと撫でる。

「ちょっと俺石鹸取ってくるよ。お前の気持ちはありがたいんだけど、その体じゃ洗濯には不向きだろうからな。大人しく待っててくれよ」

 申し訳なさそうに言い置いて、踵を返して去っていく。なかなかの気遣いぶりだ、とますます才人に対する好感度を上げつつ、シルフィードは洗濯籠の方を見る。

(上手い具合に才人もいなくなったし、今の内にすばやくやっちゃうのね)

 シルフィードは先住魔法独特の詠唱を素早く完成させ、次々に魔法を繰り出した。風を操って、洗濯物とたらいの中の水を空中に舞い上げる。水は球の形にし、その中に洗濯物と近くの土から作り出した石鹸を放り込む。そのまま、服を傷つけないように注意しながら空中で水球を攪拌し、汚れや埃などを水側に残したまま、洗い立ての洗濯物だけを取り出す。水はたらいに戻し、洗濯物は空中を舞い躍らせて速攻で乾燥させた後、洗濯籠に戻す。

(それにしても)

 洗濯籠に戻す直前、シルフィードはふと、一枚の布きれを見つめて首を傾げた。俗にパンツと呼ばれるその物品、人間のメスの股間を覆い隠すためのものである。

(どうして人間はこんなのつけるのかしら。寒いって言うなら分かるけど、熱いときもつけてるし。オスを誘惑するんだったら、裸になって大事な部分もちゃんと見せた方がいいのね。変なの、変なの。きゅいきゅい)

 当然ながら常時裸の状態であるシルフィードには、何故人間が他人に肌を見せるのを恥ずかしがるのかがよく分からないのであった。
 ともあれ、才人が石鹸片手に帰ってくる頃には、既に洗濯は終了していたのである。

「あれ、終わってる?」

 綺麗になって洗濯籠の中に畳まれている洗濯物を見て、才人は目を丸くした。怪訝そうに周囲を見回すが、シルフィード以外は誰もいない。

「どうなってんだこりゃ。誰か、やってくれたのか?」
(わたしがやったのよ)

 心の中では胸を張りつつ、シルフィードは首を傾げて知らん振りを決め込んだ。才人はますます混乱したように顔をしかめた。

「まさか、お前がやってくれたってこともないだろうし……うーん、謎だ」

 腕を組んで悩み続ける才人の服の袖を、シルフィードは軽く噛んで引っ張った。

「ん、どうした」
(お仕事終わったなら、シルフィーと一緒にお出かけするのね)

 急かすように才人に背を向けて、乗れ、と言うように翼をばたつかせる。

「なんだ、またどっか乗せてってくれんのか」

 才人は困ったように頭を掻いた。

「参ったな、一応洗濯は終わったけどよ。状況がさっぱり理解できないまんまだし」
(もう、じれったいのね)

 シルフィードは、洗濯籠を咥えて空中に飛び上がろうとした。才人が慌てて手を伸ばす

「おい、ちょっと待てって」
(早く乗って。きゅいきゅい)

 シルフィードが尻尾を振ると、才人は苦笑して頷いた。

「分かった分かった。お前の好きなようにするといいよ。ただ、片付け終わらせてからにしてくれよ。これこのまんまにしておいたら、またルイズに怒鳴られちまうからな」

 シルフィードは喜びの意を表現するために、長く高く鳴いた。



 才人が洗濯物を片付けた後、彼を乗せたシルフィードは高々と空に舞い上がった。

「うお、スゲー、お前ってこんな高く飛べるんだな」

 シルフィードの背中で、才人がはしゃいだ声を上げる。高所恐怖症の気はないらしく、シルフィードの背から軽く身を乗り出して、物珍しげに地上を眺めている。

(落ちてもわたしが支えてあげるから安心。さて、どこに行ったらいいかしら)

 シルフィードは、頭の中に昨夜調べ上げた無数のデートスポットを思い浮かべた。その中でもお気に入りで、なおかつ今から行って戻ってこれる場所。

(あそこがいいのね)

 シルフィードは空中で方向転換すると、ゆっくりと翼を羽ばたかせた。本気を出せばもっと早く飛ぶことができるが、背中で才人が身を乗り出しているから、安全を考えて多少速度は控え目である。
 十分ほど飛ぶと、目的地が見えてきた。どこかの村の近くにある、丘一面の花畑である。その付近、草地になっている場所に、シルフィードは降り立った。

「お、なかなか綺麗なところじゃんか」

 地面に下りた才人が、周囲を見回して感心したように言う。白、赤、黄。丘には様々な色合いの花々が可憐に咲き乱れ、風が吹くたび模様を変えて、見る者の目を楽しませる。

(気に入ってくれたみたい)

 シルフィードは花畑を眺める才人の背中を見て嬉しくなり、きゅいきゅいと鳴き声を上げる。すると才人が振り返って、こちらの頭を優しく撫でた。

「お前、ここに俺を連れてきたかったのか。いいとこだな、スゲー綺麗だ。心が洗われるっつーか」

 シルフィードは、自分のチョイスが間違っていなかったことを確信して、内心で会心の笑みを浮かべる。
 そのとき、才人が予想外のことを言い出した。

「お前も女の子だもんな。綺麗な場所が好きなのは当然か」
(え、違うのよ。別に、わたしが見たかった訳じゃ)
「ほら、もっと近く行って見てみようぜ。中に入らなきゃ、花を潰さなくても済むだろうからさ」

 才人に促されるまま、シルフィードはおずおずと花畑の近くまで足を伸ばす。百花繚乱とでも言うのか、近くで見るとまた違った味わいがある。また様々な花の香りが混じりあって周囲に漂っているおかげか、自然と穏やかな気持ちになってくる。

(思った以上にいいところなのね。ここに連れてくれば、おねーさまとサイトの会話も弾むってものよ)

 そんな風に心の中で満足していたとき、シルフィードはふと、才人が花畑のそばでしゃがみ込んで、何かしているのに気付いた。

(何やってるの)

 後ろから首を伸ばして才人の手元を見ると、摘んだ花を結び合わせて何かを作ろうとしているところだった。「何それ何それ」とシルフィードがきゅいきゅい鳴くと、才人は肩越しに振り返って笑った。

「花冠作ろうと思ってさ。女の子ってこういうの好きだろ。幼稚園ぐらいのときかな、一緒に遊んでた女の子がよく作っててさ。俺も見よう見まねでやってみたんだけど、なかなか上手くできなくてなー。ま、今はルイズのおかげで手先も器用になってきたし、綺麗に作れるかもしれねーと思ってさ」

 そんなことを喋りながら、才人は器用に色とりどりの花を繋ぎ合わせていく。もちろん、シルフィード自身はそんなことをした経験はないので、物珍しくてついつい見入ってしまう。

(わあ、サイト、上手なのね)

 感心して後ろから見ている内に、才人の手の中で花冠が完成した。花の色使いもちょうどよく、なかなか鮮やかな出来栄えである。

(凄い凄い。これならおねーさまも大喜びなのね。でも)

 ふと、シルフィードは首を傾げた。人間の頭に被せるにしては、その花冠は少し大きすぎる気がしたのだ。これでは、首にかけるのがちょうどいいぐらいのサイズである。

(張り切って大きくつくりすぎちゃったのかしら)

 疑問を重ねるシルフィードの前で、才人は不意に振り返り、花冠を持ったままこちらに向かって両手を伸ばしてきた。
 驚くシルフィードの頭に、何かが乗せられる。それは、先程才人が作った花冠だった。

「ほら、プレゼントだ」
(え、シルフィに?)

 目玉をぐりんと動かして頭の上を見てみれば、確かにその花冠は、シルフィードの頭にすっぽり収まるように作ってあるようだ。最初から、そのつもりで作っていたらしい。

「おー、ぴったりだな。どうよ、俺もなかなかやるもんだろ」

 才人が得意げに笑う。シルフィードは、何故か落ち着かない気分になった。

(なんだか変な感じ)

 その気持ちの正体がなかなかつかめないでいるシルフィードの前で、才人は不意に大きく口を開いて欠伸をした。

「ねみーな……久々にルイズの命令から解放されたせいで、気が抜けちまったのかな」

 才人は花畑から少し離れた草地で、ごろりと横になった。

「悪い、俺ちょっと昼寝すっからさ。遅くならない内に起こしてくれよ」

 そして、すぐに寝息を立て始める。シルフィードは自分の感情に困惑しながら彼のそばに歩み寄り、その顔をそっと覗き込んだ。
 さっき寝入ったばかりだというのに、才人はもう大口を開けていびきまで掻いている。本当なら「これはマイナスポイントなのねー」と評価を下すところだが、何故かそんな気にはなれなかった。
 シルフィードは少しの間じっと才人を眺めたあと、自分もその傍らで丸くなった。昨日から寝ていないせいか、急に睡魔が襲ってくる。頭の上の花冠を落としてしまわないように気をつけながら、シルフィードはそっと目を閉じた。
 そうして二人ともぐっすり寝入ってしまったために、結局帰りは夜中になってしまった。



 翌日、シルフィードは再び物陰から才人の様子を窺っていた。
 タバサの方はシルフィードの方を特に叱らなかったが、才人の方はそういう訳にはいかなかっただろう。

(サイトに迷惑かけちゃった)

 後悔しながら、シルフィードは首を伸ばして才人を観察する。今日もまた洗濯をしている才人の横顔には、特に変わった感じは見られない。しかし、もしかしたら「シルフィードが起こしてくれなかったせいでルイズにお仕置きされた」と、内心では怒り狂っているかもしれない。そう考えると、昨日よりもずっと心が重くなった。

(また後で来るのね)

 根が臆病なシルフィードは、才人に見つからないようにそっと首を引っ込めようとする。そのとき、また昨日と同じようなタイミングで、不意に才人が顔を上げてこちらを見た。
 一瞬、シルフィードは体を強張らせる。しかし才人の方は、やはり昨日と変わらない気楽そうな笑みを浮かべて、こちらに向かって大きく手を振った。

「ようシルフィード、元気か。昨日はお互い災難だったなあ」

 シルフィードは喜びの鳴き声を上げながら、またドタドタと才人の下へ走って行った。



「おねーさまおねーさま」
「なに」
「サイト、やっぱりとっても素敵なのね。早くおねーさまもサイトとたくさんお話するといいのね」
「そう」

 相変わらず一方的に捲し立てるシルフィードと、本のページを手繰りながら無表情にそれを聞き流すタバサ。
 その図式はいつもと同じように見えたが、その実少し違っていた。

「あ、えとね、おねーさま」

 珍しく、シルフィードが遠慮がちな声を出す。タバサは怪訝に思いつつ、それでも表情は変えないまま、少しだけ本から目を離した。

「なに」
「あのね、お願いがあるの」

 シルフィードは、どことなくもじもじしながら、タバサに向かって前脚を差し出す。その先に、何かがぶら下がっていた。

「花冠?」
「そう。これに、固定化の魔法をかけてほしいのね」

 わざわざタバサに頼むということは、先住の魔法には固定化の魔法がないということだろう。

(どうして、これをずっと保存しておきたいのか)

 そこのところは少し疑問だったが、シルフィードの真剣な顔を見ていると、自然と微笑ましい気持ちになった。

(わたしも、昔母様や父様に花冠を作って、プレゼントした)

 そんなことを思い出しながら、固定化の魔法を詠唱する。

「終わった」

 と言ってやると、シルフィードは大喜びしながら、自分の頭に花冠を乗せた。

「わーい、シルフィのお花、シルフィのお花」

 はしゃぎ回るシルフィードを少しの間見つめたあと、タバサはまた読書に戻った。
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